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現代語訳 旅行用心集 @yajikita_douchu

 

翌朝、遠くから鐘の音が聴こえ、二人は暗いうちからもぞもぞと起き出す。今日はあの筥根八里を越える日だ。早々に宿を出て歩き始めると、早くも登り道にさしかかる。石ころだらけで歩きにくい。

風祭にたどり着いて

弥次ふう、よし読むぞ

人の足に 踏めどたたけど 箱根山 本堅地なる 石だかのみち』

 

どうだ喜多。あ、あれ喜多?」

喜多「おーい弥次~、たいまつが売ってるぞー。これ買おうぜ、ここの名物だ」

「もうとっくに明るいぞ。んなもん買ってどうすんだよ」

喜多「いいじゃん、弥次おまえが買えよ。昨日の夜の代わりにパーっと燃えようぜ」

弥次「あほか」