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小田原には名物のういろうがある。外郎 (ういろう) 家が代々商売をしていて、この時代ですでに300年以上の歴史がある店だ。
弥次「店が見えてきたぞ」
喜多「へえ、屋根がざくざくしてて変わった造りだな。買っていこう、美味いかな」 http://t.co/WSgkBDlN
弥次「顎が落ちるほど美味いって話だぞ」
二人はういろうを買い、さっそく食べようと袋を開けた。
喜多「あれ、丸いな」
弥次「こんなに小さな粒だっけ」
喜多「いただきまーす」ぱく。
喜多「あれ?」
弥次「む?」
喜多「うわっにがーっ! 餅じゃないぞこれ」
弥次「うへぇ、水だ水」
よく見ると売り場が二つある。こっちで売っているのは薬だということを知らずに買ってしまったようだ。
喜多「なんだ、餅は別の売り場があったのか」
弥次「なんで餅と薬を一緒に売ってるんだ?」
喜多「そこの看板によると、薬の口直しで作ってるのが餅のういろうらしい」
弥次「同じ名前で売ってるのか。紛らわしい。知らなかったとは言え騙された気分だな。
『ういろうを 餅かとうまく だまされて こは薬じゃと 苦い顔する』
苦い歌のできあがりだ」
喜多「薬なんだから騙されたってのも変だけどな」