detail
ちょんがれ坊主「ヒャーっ、どもども、ご繁盛の旦那がたー、どうぞ10円恵んでやってくださいな」
弥次「来るなっそばに寄るなっ」
坊主「トコトコトコ、よいとこな。そんなこと言わずにくださいな♪」
喜多「来るなってば、金なんか持ってねえぞ」
坊主「そんなワケないでしょ~お? 旅をなさる人たちが、お金がないはずないでしょ~お?」
弥次「あっちいけよー」
坊主「どんだけケチな旦那でも、足一本では歩かれぬ♪ あソレ♪ それから田町の反魂丹♪ こりゃ幸手のシラミひも♪ 」
坊主「越中フンドシの着替えの分も♪ なくてはならぬ その代わり♪ 古くなったら手ぬぐいに♪ お使いなさるがお得用♪ あコリャコリャ」
弥次「ああっもうやかましいわ! それ持ってけっ」耐えかねて小銭入れから10円放り出した。
坊主「うひょー、50円とはありがたい♪」
弥次「しまった、40円釣りをよこせ」
坊主「はははっ、バイナラ~」
弥次「ちくしょう、うわあああん」
喜多「うへえ、もう見えなくなった。ちょんがれ坊主ってタチが悪いんだなあ」
弥次「ああやって金を出すまでしつこくつきまとうんだよ。わけの分からん歌がウザいだろ」
喜多「田町の反魂丹とか幸手のシラミひもとか越中ふんどしとか、まるで広告だな」
弥次「逆に買いたくなくなるわっ」