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喜多「とっさんや」
弥次「あん?」
喜多「ここは程ヶ谷と違って留女が出てこないな」
弥次「ホントだ。どうやら大名の一行が泊まるようだな」
喜多「あっちはどうだろ」
弥次「おねえさん、ここは泊まれるか?」
旅籠仲居「申し訳ありません、こちらはいっぱいなんです」
弥次「あちゃー。困った」
あちこちの宿に問い合わせるが、どこもいっぱい。苦し紛れに
弥次「泊めざるは 宿を疝気と知られたり 大金玉の 名ある戸塚に」
喜多「なんかよく分からんが、歌なんか作ってる場合じゃないぞ」
弥次「疝気とせぬ気をかけたんだよ」
喜多「大金玉ってなんだ」
弥次「戸塚にいる名物乞食だ」